【前編】 新価値創造のための「OPEN型」人材・組織開発プログラム ~EQ開発でつくるOPENな自分×OPENなチーム~

【前編】 新価値創造のための「OPEN型」人材・組織開発プログラム
~EQ開発でつくるOPENな自分×OPENなチーム~

豊かなモビリティ社会の実現に向けて、革新的な技術・サービスの研究に挑み続ける、日産自動車株式会社総合研究所様。新価値創造の基盤となるコミュニケーションスキルと共創するチーム・組織づくりを目指し、アイズプラスとフューチャーセッションズが提供する「OPEN型」人材・組織開発プログラムを継続的に導入いただいています。

OPEN型人材・組織開発プログラムでは、参加者全員がEQ検査により自己認識しながら自他の関係性を探究しています。プログラムによってチームと組織にどのような変化があらわれたのでしょうか。そして、私たちがこれから目指すOPENな自分、OPENなチームとは
総合研究所 実験試作部 第一実験課 大和田様・岩田様・関様をお迎えし、プログラム実践現場のリアルと今後の展望についてお話をうかがいました。


Interviewee:
日産自動車株式会社 総合研究所
実験試作部 第一実験課 課長 大和田 優 氏
実験試作部 第一実験課 リーダー 岩田 幸人 氏
実験試作部 第一実験課 関 健一 氏

Interviewer:
株式会社アイズプラス
代表取締役 池照 佳代

※以下敬称略

Q1. なぜ「OPEN型」人材・組織を目指すのか? 

「OPEN」で豊かな連携と新価値の共創を実現する

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池照: 日産自動車㈱総合研究所実験試作部のみなさんとOPEN型人材・組織開発プログラムに取り組み始めて3年になります。OPENとは、EQ(感情知性)の中で新価値創造にむけた関係性構築に必要な4要素、Ownership(主体性)・Pliability(柔軟性)・Empathy(共感力)・Narrative(世界観共有)を指し、行動変容環境を作り出すための中心コンセプトです。
OPENプログラム導入後、個人やチームのコミュニケーションにさまざまな変化があらわれているそうですね。まずは、このプログラムが導入された背景についてお教えください。

大和田: 実験試作部第一実験課は主にモビリティに関する先端技術のものつくりと実験を行うチームです。近年、電動化や自動運転などの技術開発や社会課題解決のための実証実験などに見られるように、自動車産業の活躍するフィールドが拡大しています。これまで以上にスケールの大きなモノ・コトを、多様なバックグラウンドを持った方たちと連携して進めるには、個々人やチームでのコミュニケーション能力のアップデートと、よりオープンな組織風土への転換が必要です。そのためにOPENプログラムを導入し、継続的に実施しています。

EQを意識したのはここ数年です。会社の中でも器用な人とそうでない人がいて、自分のやり方にこだわって行き違いがあったり、余計な摩擦が生じたりするのを目にしていました。課のメンバーとは1on1ミーティングも行っていましたが、課長の私と、直近の監督者に話す内容が異なっていることがあり、私自身も関係性の深さに不足を痛感していた時期でした。課員全員が楽しくしあわせに創造性豊かに仕事ができる、そんなOPENなチームや組織になりたいと想い取り組んでいます。

池照: 従来のマネジメントからもう一歩踏み込んで、感情と行動の理解につながるOPENな組織作りを目指されたのですね。大和田さんご自身が声をあげて現場から取り組み始めたのはなぜですか。

大和田: 過去の集合教育の経験から、組織の1名が教育を受けても周囲を巻き込んだムーブメントにしていくのは至難の業で、小さな職場単位で小さな集団から変化させることが大切だと思いました。誰もが無理なく長く携えられる価値観を導入することが組織風土改革につながると確信していました。時間はかかりますが、小さく始めて大きく育てようという方向性でまずはスタートしました。

「感情」を人材・組織開発のツールとして活用する

池照: 感情に着目したプログラムということで、部内でもいろいろな受け止められ方があったのではないかと思います。プログラム内容への印象や、導入当初の周りの反応はいかがでしたか。ご経歴と職場での役割などもあわせてお教えください。まずは岩田さんお願いします。

岩田: 私は研究所に入って30年ほどエンジニアとして勤めており、新技術の開発業務を担当しています。抜け漏れのない運用ルールを決めるために論議をする場が多く、円滑な対話のスキルは必須です。いい論議をするために、なにごとも率直に話せるといいのですが、その当時は、1対1では本音が出せても数人になると遠慮してしまう、それぞれの役割は果たしているけど仕事が気持ちよく回せていないなど、コミュニケーションに課題感がありました。

OPENプログラムについては、過去にEQやコーチングの本を読んでいたのと、コミュニケーションの面に力を入れたいと思っていたので、興味関心を持って参加しました。ただ、EQの知識がない他のメンバーからは、精神論的な見方をされて、どこに向かっているのかと聞かれることもありました。

池照: 感情をリソースとして取り入れると聞いても、それが人材・組織育成にどう直結するのか、自分にどう役立つのか、イメージが湧きにくいかもしれませんね。関さんはいかがですか。

関: 私は実験試作部に配属されて勤続18年になります。中堅の役割として、関係部署と信頼感を持って連携し、より良いアウトプットをすることと、後進の育成を担っています。
後進育成の方法としては、私の言動や結果を見せ、共に知識や技術を磨いていく、背中を見せて育てるような指導が中心です。ある成果を出すための着眼点やアプローチが、私と後輩でまったく違う場合があるので、世代や、学んできた知識や技術、そもそもの考え方の違いなどをうまく汲み取りながら、お互いのポテンシャルを引き出せる関係性を模索しているところです。

感情にフォーカスした研修プログラムは今回が初めてで、EQの知識もゼロでした。アンガーマネジメントやモチベーションの上げ方などに通じる良いものなのだろう、とりあえず波に乗ってしまえと思い参加しました。

池照: 関さんも岩田さんも期待感を持ってプログラムに参加してくださったのですね、ありがとうございます。
感情と組織開発、相いれないイメージですが、実際は、良好な関係性づくりのツールとして感情を捉えてみましょうという、ビジネス側の一提案だと思っています。
大和田さんがおっしゃったように、個々人が感情をマネジメントするメリットを体感し、知識や言葉を共有し、それが組織風土として根付くまでには、ある程度の労力と発信が必要になります。まずは自己理解のツールとしてロジカルに取り入れ、活用しながら感情の大切さを理解していただきたいです。


Q2. OPENプログラムで何が変わったのか?

行動特性を可視化することで行動量に変化がうまれる

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池照: プログラムのファーストステップとして、自分が日ごろEQをどう発揮し行動しているかを知るために、EQI(行動特性検査)を受検いただきました。検査結果を初めてご覧になった時、どのように感じましたか。何に気付き、その後どのような変化がありましたか。

大和田: 私はEQIによって自分の言動がはじめて客観視でき、これはココロの人間ドックのだなと感じました。同時に、メンバーのチャートがみんなそれぞれ違う形をしているのを見て、多様性とはこのことか!と。意見は違って当たり前、仕事を通して見ているメンバーの姿も、その人のほんの一面なんだなと腑に落ちました。

見方の選択肢が増え、判断が大らかになりましたね。あれこれ言わず、まあ1回やらせてみようと言えるようになった。自主性のある人材を育成する意味でも、自分で仕事のサイクルを回せるようになって欲しいので、余計な口出しは極力しないようにしています。

池照: 仕事だけでなく人に焦点が当たり、大らかに見守れるようになったのは、組織のリーダーとして大きな変化ですね。自分とやり方が違う人が大勢いて、そのやり方でも結果が出せている。私もEQのデータや反応でその違いを理解してから、人に任せられるようになりました。
続いて、岩田さんはいかがですか。

岩田: まず検査結果の数値分布については納得でした。リーダーという役職を意識した行動があらわれていましたね。それから、1回目と2回目で検査結果が大きく変わったのを見て、感情を意識すると行動がこんなに変わるんだなと驚きました

EQを知ってからは、メンバーに相談された時、その話をまずしっかりと聞いて受け止めて、それから自分の意見を伝えるようになりました。以前は上司部下の役割で、状況を聞いて論理的に指示出しをすることが多かったように思います。そして、私自身もメンバーに頼ることが増えました。考えを整理したい時に話し相手になってもらったり、困った時はすぐ「助けてください」と言い出せたりするようになりました

池照: 「助けてください」とストレートに伝えられる関係性ができてきたのですね。たった一言の小さな行動ですが、それが組織を変えていく。相手を信頼して頼るEQの力のひとつですね。

ファクトとロジックにエモーションを加えた関係性づくり

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池照: 関さんは検査スコアをご覧になってどのように感じましたか。

関: 実際の行動に移す部分が控えめという点について、ズバリ当たっているなと思いました。あれこれ考えるけれど最後の一歩がなかなか踏み出せないと自覚していたので。それからは、不安や荷が重いなと感じることも、周りの人に相談しながら、「ちょっとやってみるか」とトライするようになりました。賛同やアドバイスだけでなく、一緒にやるよと協力してくれる人もいて、とても心強かったですね。それで、よりトライしやすくなりました。

池照: 一緒にやってみようと言ってもらえるのは心強いですし、関さんも誰かにそう言ってあげられるようにもなりますね。EQ検査をきっかけに、個人だけでなくチームとしても協力的な行動量が増えてきているように感じます。

関: 結果の数値は良い悪いではなく、あくまで特性の捉え方ということで、リーダーシップを発揮する場面、フォロワーシップが必要な場面、臨機応変にコントロールしていきたいです。

池照: 行動の量が数値として可視化されるので、数字でロジックを作って仕事をしている方にとってはわかりやすいとよく言われます。ファクトとロジックだけでなく、ぜひそこに意図を持ってエモーションを加えていく。職場の関係性は ファクト(事実)xロジック(論理)xエモーション(感情)で作られていますから!



アイズプラスからのご紹介

アイズプラスでは、EQ(感情知性)を人材開発、組織開発、人事制度設計に導入し、
以下のような組織目的達成のお手伝いをしています。

・企業理念の策定、浸透支援
・リーダーシップ開発/リーダー育成
・ダイバーシティ&インクルージョン/多様性施策構築、浸透支援
・エンゲージメント施策、タレントマネジメント施策構築と浸透支援
・「心豊かに働く」をベースとした人事制度の構築
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