【後編】EQでマネジメント力を上げる。私もチームも輝き出す「感情」の扱い方と具体的アクション

【後編】EQでマネジメント力を上げる。私もチームも輝き出す「感情」の扱い方と具体的アクション

写真

前編に続き、株式会社マネーフォワードさまの人事部に在籍する3名の女性、竹内富貴さん、金井恵子さん、田中馨さんに、EQアセスメント後のご自身やチームの変化についてグループコーチングの場で伺っています。そのハイライトをお届けします。


あるべき姿を演じるのではなく、ありたい姿に近づくために
素直に弱音を伝えたら、みんなが応援してくれた

池照: 田中さんはEQアセスメントを受けていかがでしたか?

田中さん: 私は竹内さんや金井さんとは逆に、共感力は高いほうだと思っていました。ですが、マネジメントに携わらせていただくようになってからそのわりにメンバーの気持ちを理解し切れていないのではないかと感じることが時々あり、EQアセスメントを受けました。

その結果、表現力は高く、一方で自分がとても繊細な所があることが分かりました。特に印象的だったのが、池照さんからのフィードバックにあった「あるべき姿を演じるのではなく、ありたい姿は何なのか考えてみましょう」という一文。表現力があるから、いかようにもあるべき姿を演じることができるし、ずっとそうして来たのですが、私のありたい姿はもう少し肩の力が抜けた状態です。どうしたらその差分が埋められるんだろうと考えるきっかけになりました。

まず行ったのは、マネジメント職の同僚に弱音を伝えたこと。様々なことが同時多発的に起きていた時期で、「私、ちょっと辛いかもしれない」って。「今、こういうことが起きていて、こう頑張ってはいるんだけどなかなかうまくできない」みたいな話をしたところ、みんなが「弱音をちゃんと吐き出せたことがえらいね」と言ってくれました。周りから見たら辛そうなのは分かっていて、私が素直に辛いと伝えたことによって、じゃあみんなでどうしたらいいか考えようという状況になった。

私がいかにあるべき姿を演じてしまっていたのかにも気づけましたし、思った以上に私のことを応援してくれる人がいるんだと分かりました。この応援にちゃんと甘えることで、私は一人で出す以上の価値をチームで出すことができるんだと認識しました。

池照: ステキなお話ですね、とことん甘えましょう。もう一歩進んで「どんな部分で助けてもらえるか」を相手に聴いてみてもいいかもしれません。田中さんが想うよりも、周囲は田中さんのことを理解していて、「○○の分野は助けられると思います」というふうに、教えてくれるような気がします。


メンバーに頼る時に、こんなメッセージを添えると相手も助けやすくなる

竹内さん: 田中さんが周りの人に「助けて」って甘えられたのは大きな一歩だと思います。私もEQで共感力に取り組む中で、「助けてくれない?」と言うようになったり、メンバーに対してある程度仮説や答えを持って臨まなきゃいけないと思っていたのを「どうしたら良いと思う?」と分からないまま接するようになったら、メンバーから「頼られるのが嬉しい」って言ってもらえたことがありました。

でも難しいなと思うのが、メンバーも自分ができることを頼られるとうれしいかもしれないけれど、全くお手上げのことを頼られても困ってしまうのかなと。「頼り方のコツ」ってあるんでしょうか?

池照: 私の経験で言うと、私の以前の上司は、私が23歳くらいの若手の頃から経営会議に私を同席させていたんですね。常識で考えたら私の立場では何の情報も持っていないし、口なんか出せない状況。でもその上司が私に言い続けたのは「23歳のあなたの意見を出しなさい」ということでした。「あなたが経営課題への解決方法を言う必要はない。23歳のあなたの視点で言ってほしい」と。最初は苦しかったですが、自分でもどんどん考えるようになり、当事者意識が芽生えていったかと思います。「何を期待しているか」を伝えれば、私はどんな人でも巻き込んでいいんじゃないかと思います。


評価だけに終わらない
次の行動へつなげることがマネージャーの役割

田中さん: 私がなぜネガティブなことを人に言えないかというと、表現力が高い事はポジティブに作用すればとても良いことですが、ネガティブに作用すると望んでいないような影響力を持つことがあるからなんです。例えば「彼にはこんな課題があるね」と発した一言が、「田中さん、あの人のことすごく嫌いなんだ」というふうに受け取られてしまったり。

池照: 伝わり方の影響力が思ったよりも大きくなってしまうんですね。それは自分が意図したのと違う印象や評価を相手に与えてしまう可能性があるということですよね。

特にメンバーへの影響力を発揮する場面において、そうさせない一つの方法としては、会話や面談の目的を考えることが鉄則だと思います。対話の目的は、相手を評価することではなく、その先の行動へつなげることです。それがマネージャーの仕事です。評価がポジティブでもネガティブでも、その先にあるのは「良かった、だからこうしよう」「ダメだった、でも次はこうしよう」という「だから」と「でも」の後の選択肢だけ。評価がたとえネガティブでも、次のアクションについては必ずポジティブな表現にするといいと思います。


EQを人事部として活用することの可能性

池照: では最後に、EQが今後、マネージャーであり人事部のスタッフであるみなさんにどんなふうに貢献できそうでしょうか?

竹内さん: 私は今回、マネージャーとしての課題感からEQアセスメントを受けましたが、人を巻き込むという意味では、人事部として全社に施策を打っていく時やコミュニケーションしていく時にも活用できる可能性を感じています。施策の意義を伝える際に、ロジカルに説明して理解してもらうことも大事ですが、社員に共感してもらい、主体的に取り組んでもらえるようにすることが重要だと思っています。そのための効果的な武器になり得るのがEQだと思いました。人は感情で動く生き物なので、EQを学ぶことは人事の仕事にも生きてくると思います。

金井さん: 人に対する施策を考える際に、まず自分を知ることも必要だと思います。それができていないと、みんなの悩みや課題も理解できないだろうと思うので。マネーフォワードに入社してから、FFSやストレングスファインダーなど自分を知る機会に恵まれ、成長に役立っています。このEQアセスメントも、みんなで受けるとみんなの客観的視点が得られ、メンバーの共通言語として話せるようになるのでとても良いことではないかと思います。

田中さん: マネーフォワードという会社がとても好きだからこそ、メンバー一人一人がもっと前向きになることによって企業のパフォーマンスが上がるということに私は貢献したいと思っています。前向きになるということは、自分の過去と現在を承認すること、そして自分を正しく知ることから始まると思います。自分を正しく知ることに、EQはとても良い影響を与えてくれる。誰かに向き合った時、私はEQを知る人間として、その人の良さや前向きになるポイントを見出し、自信に変えるアクションをしていきたい。そして全社的にEQを導入することができるとしたら、それは企業全体のウェルビーイングにつながっていくと思います。

池照: ありがとうございます。EQは本当に汎用性が高く、個人の開発だけでなく、社員のエンゲージメントや関係性向上、ダイバーシティ&インクルージョンなど導入シーンも広がっています。企業によって課題の焦点を定め、全社で「感情」をキーワードにして取り組む動きも始まっています。私自身、どのような課題にはどんな取り入れ方がフィットするのか、どんなアプローチが関わる人の心を最も動かすのか、さらに探求してシェアしていきますね。



まとめ

EQは、マネージャーとしての個人的な課題を解決するだけでなく、その先にそのマネージャーがもたらすチームへの好影響、ひいては会社全体のパフォーマンス向上にも寄与する可能性を秘めています。人を巻き込む力や部下の主体性を育む力はもちろん、企業の価値観や風土づくりにもアプローチできるEQを、ぜひお役に立てていただけましたら幸いです。

>>【前編】EQでマネジメント力を上げる。私もチームも輝き出す「感情」の扱い方と具体的アクション
を読む 

>>EQアセスメントの詳細はこちら
>>企業の導入事例はこちら


プロフィール

マネーフォワード People Forward本部 Talent Growth部
部長 竹内 富貴さん
※インタビュー当時

マネーフォワード People Forward本部 新卒採用部
部長 田中 馨さん

マネーフォワード People Forward本部 カルチャー部
部長 金井 恵子さん


アイズプラスからのご紹介

アイズプラスでは、EQ(感情知性)を人材開発、組織開発、人事制度設計に導入し、
以下のような組織目的達成のお手伝いをしています。

・企業理念の策定、浸透支援
・リーダーシップ開発/リーダー育成
・ダイバーシティ&インクルージョン/多様性施策構築、浸透支援
・エンゲージメント施策、タレントマネジメント施策構築と浸透支援
・「心豊かに働く」をベースとした人事制度の構築
・・・ 他

▶︎法人向けEQプログラム
▶︎お問合せはこちらから