上原達也さん(XTalent株式会社 代表取締役)インタビュー

「共感力」と「表現力」を高めたい。経営者としてより良いチームを築くためにEQコーチングを活用/上原達也さん(XTalent株式会社 代表取締役)インタビュー


 株式会社アイズプラスでは、2010年からEQ(感情知性)を企業の人材育成や組織開発に活かすサービスを提供してまいりました。その一方で、2020年からは新たな活動として、個人の方に向けた1on1の「EQコーチング」サービスを開始しています。
 弊社はこれまでに、企業に所属するのべ5000人以上の方にEQアセスメントを実施し、自分の強み・弱みを周囲の人間関係や環境に最適化させて目的を達成する自己マネジメントのノウハウを蓄積してきました。これを個人向けにアレンジし、ご自身が目指す姿に向かってEQを開発しながら自分を育てていくプロセスをサポートさせていただいています。

 このアイズプラスの「EQコーチング」を、XTalent(クロスタレント)株式会社 代表取締役の上原達也さんにご受講いただきました。上原さんはEQコーチングを通して、どんなことを感じ、発見されたのでしょうか?



EQコーチングを受けた理由

−上原さんは今回、どんな理由からアイズプラスの「EQコーチング」を受講されたのですか?
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上原さん:   私は2019年7月に、自分の会社として「XTalent株式会社」を創業しました。これまでITベンチャーやモビリティスタートアップなど、新たな市場を開拓していくような会社でキャリアを積んできたこともあり、自分で新しい事業を行うことに強い興味がありました。

XTalentでは、主に2つの事業を展開しています。一つは「withwork」という、ハイスキルなワーキングペアレンツを、子育てに理解があり柔軟に働ける成長企業とつなぐ転職サービスです。もう一つは、「withwork exective」という事業で、企業に対して有益なアドバイザーとなり得る女性の社外取締役をマッチングするエグゼクティブ・エージェントのサービスです。

まだ始まったばかりの会社ですので、私自身も日々現場でクライアントの企業さまとの対話や、ワーキングペアレンツの方々との面談を行いながら事業を営んでいます。

そのような中で、これから事業を軌道に乗せ成長させていくためには、やはり一緒に取り組んでいただく自社のメンバーと、良いチームをつくっていくことが不可欠です。元来、私自身には他者への共感力やリーダーシップ発揮が課題と感じており、経営者としてチームをつくっていくにあたり必要な部分でもあるこうした力を伸ばしたく、池照さんのEQコーチングを受けることにしました。


EQコーチングを体験して分かったことと変化

−EQのアセスメントを受けてみて、どんなことが分かりましたか?

上原さん: 「共感力」や「感情表現」のスコアが低かったですね。昔から自分の感情を表に出すのは苦手でしたし、みんなに号令をかけて引っ張っていくといった、いわゆるリーダーシップを取るのも苦手でした(笑)。これまでの私のキャリアの中では、立ち上げのポジションや、一人で取り組む仕事が多かったのですが、会社を経営していくとなると、やはり周りの人のマネジメントは必要なものですよね。

−コーチングの中では、具体的にはどのようなアドバイスがありましたか?

上原さん: 私は「ノンバーバル・スキル(非言語のコミュニケーション力)」が非常に低かったんですね。つまり、表情やうなずきなどの動作で相手に気持ちを伝える力です。悪気はないのですが、ともすると無表情で、仕事の要件だけの話になってしまいがちです。これに対して池照さんからは、ノンバーバル・スキルを高めるには、ミーティングの始まりと終わりの時の自分の表情を意識したり、仕事の話だけに終始しないようにメンバーと雑談をしたりするといいというヒントをいただきました。コーチングを受けたことで、私自身も伝え方や表情に対する意識が変わりましたし、雑談も社内で意識的に行うようにしています。

−上原さんご自身は行動に変化が生まれたのですね。チームのメンバーや社内の雰囲気などに何か変化はありましたか?

上原さん: 弊社のメンバーは女性が多いのですが「まだまだ」と言われます(笑)。意識し始めてそんなに時間が経過していないので、変化というほど大きなものはまだ感じられていませんが、表情に気をつけることや雑談は継続してやっていこうと思います。

−逆に、上原さんのEQアセスメントでスコアが高かったのはどんなことですか?

上原さん: 私は「私的自己意識」が高かったです。これは自分自身の心や内面に対する意識が高いということです。昔から、ノートなどに自分の思考や感情を書きながら振り返る習慣があるので、スコアが高かったのかもしれませんね。また、「社会的自己意識」も高かったです。これは、周囲の期待に沿った行動や、周囲からの見られ方を意識する傾向が強いということですが、どちらかというとそうなのかな。とにかく、自己認識や自分自身がこうあるべきだという意識は高い方だと思います。

何にしても、自分自身の定性的な強み・弱みをきちんと認識して言語化することが重要ですよね。日々の転職希望者の方々との面談においても、それができている人とそうではない人がいらっしゃいます。自分のスキルや感情を正しく認知して、正しく人に伝えることができるということは、経営者はもちろん、あらゆる人にとって重要ではないでしょうか。EQは、そのための指標として活用しやすいですよね。


価値観の多様化、リモートワークが広がる中でのEQの重要性

−上原さんの人材紹介のお仕事の現場でも、EQの重要性を感じる場面はありますか?

上原さん: 「共感力」はこれからますます重要性が増すと思います。ダイバーシティ・インクルージョンが進む中で、今後ますます人の価値観は多様になっていきます。組織の構成員にいろいろな価値観の人が増えていく中で、共感してもらうことはますます難しくなっていくと予想されますが、共感してもらうためには相手がどういう感情や価値観なのかを理解して、その人に共感してもらえる表現で伝えることが必要です。「感じ取る力」「適切に表現する力」が重要になると思います。

さらに、リモートワークでのコミュニケーションが中心になってくると、自分から能動的に行動することも重要になってきます。周囲に対して積極的に自己開示して信頼されること、自分の強み・弱みをしっかりと自己認識して伝えられることが大切ですよね。


チームのカルチャーをつくっていくために

−最後に、上原さんがご自身とチームをより発展させるために、今後挑戦してみたいことを教えていただけますか?

上原さん: 会社としては、さらに新しい事業をつくり、拡大していきたいです。それに伴いメンバーが変化したり、増えていくにあたって、チームとしてのカルチャーや行動規範もつくっていきたいです。まだまだ学びの途中ではありますが、私が何を大事にしていきたいかと言うと、「心理的安全性の高いチーム」であり「多様な人材が力を発揮しているチーム」です。

そのためには、情報の透明性を高めることが重要だと考えています。昔は飲み会や喫煙室などで意思決定されていたような時代もありましたが、自分の会社はチームのディスカッションを通じて決めていきたい。その一歩が、まずみんなが偏りなく同じだけの情報を共有していること。そして、思ったことをちゃんと発言していい環境があることだと思います。お互いの価値観を知るためのコミュニケーションを大事にして行ける組織を作りたいと考えています。

EQコーチングとその後の実践を通じて分かったことは、伝え方において、やはり共感を意識しないと相手に伝わらないんだということ、そして自分自身の感情を表現しないと伝わらないんだということです。これまで2回のEQアセスメントとコーチングを受けましたが、自己認識のためにもまた時間をおいて受けてみたいですね。チームのメンバーに受けてもらうのもいいなと思っています。


池照からの一言

“働くパパ・ママが笑顔で働くためのフェアな労働市場をつくる“、素晴らしいミッションで事業を率いる上原さんは、チームが少しずつ大きくなり、一人ひとりが個性や力を出す過程でチームマネジメントに課題を感じ始められました。 リーダーとしてのご自身の言動がチームに影響することは分かりながらも、具体的な指針が見つけられない。そんな時に、EQ検査を受けられ、コーチングをスタートされました。新たな価値づくりにつながる明確なビジョンをもっていながらも、これまではあまり発信や表現をしてこなかったと自覚されていた上原さん。コーチングの回を重ね、私の質問に応える毎に自己開示と自己対話、そして観察力が上がっていきました。検査結果でも表れている通り、強い意志とビジョンがありながらもこれまであまり表現をしてこなかった上原さんにとって、自分自身と向き合い自己開示の度合いを上げていくことは容易なことではなかったはずです。でも上原さんはそこから逃げずに、ご自身とメンバー一人ひとりと向き合い始められました。そんな過程をご一緒しながら、”リーダーの自己開示が、リーダー自身とチームを変えていく“、ことを、今回あらためて上原さんから見せていただきました。自分自身と向き合い、メンバーと徹底して向き合い、互いの感情と想いを逃げずに向き合うこと、これが共感につながります。目標達成できる できないよりも先に、この「向きあう」時間をとると覚悟を決めて動けるかはリーダー次第です。これからも、ご自身とメンバーとの対話を続け、多くの方を笑顔にする事業の推進を全力で応援しています!ありがとうございました。


プロフィール

上原 達也
XTalent株式会社 代表取締役
2010年京都大学教育学部卒業後、Speeeに入社。アナリスト、人事、広報などを経て社長室に所属し、新規事業や海外事業の立ち上げに従事。
2017年JapanTaxiに入社し、事業開発を担当。
2019年7月にXTechに入社。10月XTalent株式会社代表取締役に就任。2児の父。
XTalent株式会社 ⇒こちら
ハイクラス×ママパパ転職サービス「withwork」 ⇒こちら


アイズプラスからのご紹介

・アイズプラスでは、それぞれの目的に合わせたEQプログラムを提供しています。
⇒個人向けEQプログラム
https://is-plus.jp/eq-program-personal

・感情知性(EQ)を育むラジオ番組 鎌倉FM「How do you feel?」
お聞き逃してしまった方、もう一度お聞きになりたい方のために、Podcast配信をスタートしました!
https://is-plus.jp/archives/10615

・【鳩子×鳩ばぁシリーズ】教えて!EQってなぁに?
鳩子ちゃんはEQ初心者、鳩ばぁはEQマスター。2人の問答形式でより分かり易く、皆様にEQをお伝えしています。
⇒【鳩子×鳩ばぁシリーズ】教えて!EQってなぁに?①
https://is-pluseq.com/1476/