何歳からでもリ・スタート。
EQで見つける私らしいキャリアの作り方 #03
女性が社会で活躍していく上で、次のような課題に直面する方も多いのではないでしょうか。子育てでキャリアが中断し、復帰したいが以前と同じ働き方はできないという課題。新たな働き方やプロジェクトにチャレンジしたいが、自分に何ができるのか・したいのか分からないという課題。あるいは、妻や母という役割だけでなく、自分自身として輝く生き方を見つけたい!と望む方もいらっしゃることでしょう。
この記事は、弊社アイズプラスに関わる3人の女性たちが、それぞれの人生の岐路でEQと出会い、EQを活用することで、自分らしく輝きながらキャリアやライフスタイルを再構築していった実例です。女性の活躍がますます期待される新しい時代に、EQを使って自分自身の「感情」に深く目を向け、小さな一歩から行動を変えることで、ぜひあなたも「本当に生きたい自分」を実現してください。
CASE #03 樋口しのぶさん(山梨県在住)
1. EQとの出会い

18年間勤務してきた大手食品メーカーを、母の病気がきっかけで退職し、私が実家のある山梨県に戻ったのが2013年の冬。もともと人事担当で産業カウンセラーとキャリアコンサルタントの資格も持っていたため、山梨でも労働相談員の仕事がすぐに見つかり働き始めました。勤務は週4日のみで夕方5時にきっちり終わるという労働条件は、40代を目前に少し働き方のペースを落としたかった私にとっては理想的でしたが、それまで東京で朝5時に起きて7時半には出社し、夜9時過ぎまで働くという生活を18年も送っていたので、正直、時間とエネルギーを持て余してしまいました。
そんな時、久しぶりに訪れた東京で、メンターの方を通じて出会った池照さんに再会しました。近況を話すと池照さんが、「EQやってみない?」と提案してくださいました。それが私とEQとの出会いです。EQについては職業柄なんとなく知ってはいましたが、深く学んだことはなかったので、時間もあるしやってみよう!と早速勉強を始め、EQGA公認プロファイラーの資格を取得しました。
2. EQのアセスメントを受けて、自分自身について分かったこと
私自身が初めてEQのアセスメントを受けたのは2014年です。今でも自己確認のため毎年1回は受けるようにしています。1年経つごとに少しずつ結果に変化はあるのですが、最初に受けた時には「いかに自分が性格のままに行動してしまっているか」ということが如実に分かりました。「明確なビジョンがない」こともよく表れており、同時に「自分が今、何かに熱意を持って取り組んでみたいと思っている」という欲求に気づくこともできました。
「性格のままに行動している」というのは、一見、自分に正直に生きていていいじゃないかと思われるかもしれませんが、社会や組織、他者と関わる上では大きなリスクを伴うふるまいです。私は元来の性格がかなりせっかちで、自分とは異なる行動原理やテンポの人に出会うとすぐにイライラしていました。今思えば、前職では部下に自分のペースを押しつけていた上司でした。うすうす気がついていた自分の特性が、アセスメントで数値化されることではっきりと分かり、客観視できるようになりました。
3. EQを意識して行動を変えた

私がやっている労働相談員の仕事で求められているのは「スピード」ではありません。相手の話をじっくり聞いて気持ちに寄り添う役割において、私のせっかちな性格のまま相手に接してしまうと、それはクレームにつながります。求められる成果に対して、自分の感情は分かりつつも、どのように自分の行動を選択していけるか、その力を養うのがEQ(感情知性)です。
それからは「自己コントロール力」「忍耐力」を意識し、最終的な成果から逆算して自分の行動を決められるようになってきました。つまり、私のせっかちな性格は相変わらずそのままなのですが、相手に対してそれを出さなくなったのです。その変化は、最近のアセスメントの結果にも表れるようになりました。
4. 行動を変えたら、状況が変わった

EQで自分を知り行動したことで、仕事の面でも日常生活の面でも変化がありました。客観的に人の話を聴けるようになり、労働相談員としての仕事の質も向上したと感じています。また、日常生活においても、感情のマネジメントが出来るようになったことで余計な衝突がなくなり、生きやすくなりました。
そもそもふだんの生活の中で、自分の感情にいちいち目を向けている人は少なく、感情に気づいていない人が多いのです。EQを通じてそれをやってみると、自分を客観視できるようになってきます。そうすると相手との距離も取りやすくなり、相手は相手として認め、人のせいにしなくなるのです。何かうまくいかないことがあっても、自分を内省するだけで事足ります。うまくいかない原因を相手に「なんで?」と向けてしまうと、延々と抜けられない負のループに陥ります。私もE Qを知る前は、部下や他部署にそれを向けてしまっていたように思います。でもそれが言語化され、数値化されることで自分の中で納得でき、次のステップに進むことができるのです。こうした作業を一人で行うのはなかなか難しいので、E Qというツールがあるのだなと理解しています。
5. これからの夢や目標

私はEQプロファイラーとして個別コーチングをしている時が、とても充実感を感じていることが分かってきたので、今後もEQコーチングを通して、悩んでいる人や生きづらさを感じている人の背中をそっと押せるようなお手伝いができるといいなと思っています。それができるように自分自身の質も向上させていきたいです。
そのために私自身が伸ばしていきたいEQは「柔軟性」と「自己主張性」です。「柔軟性が低い」というのは、自分の考え・価値観を軸に考えてしまうとか、自分と価値観が違う人の話を聞く時に、聞くふりになってしまうといった行動に表れます。私ももとは低かったのですが、少しずつ受け入れるお皿が大きくなってきたのではないかと感じています。柔軟性は年齢とともに落ちていきがちなので、引き続き開発していきたいです。
もう一つの「自己主張性」は、柔軟性とは相反するようですが、個人事業主として仕事の報酬や契約内容などの交渉を自分で行う必要がある私には重要です。そういう場面では、相手の提示した条件に賛同できる場合とできない場合があります。私のもともとの性格は、どちらかというと「人に合わせた方が楽」というタイプなのですが、不利な条件での仕事を続けることはストレスにもなるので、やはり自分の意見をしっかりと主張することも必要です。
世の中でいわゆる「生きづらさ」を感じている人の多くが、「柔軟性」と「自己主張性」のバランスで苦労しているのではないかと思います。自分の軸を作ることと、人を受け入れることの両立は難しいものですが、その両方を持ち合わせると生きるのが楽になってきます。
私のコーチングを受けた方が、受ける前より1mmでも気持ちが元気に上向くセッションを提供できるように、E Qを活用しながら自分自身を成長させていきたいと思っています。
アイズプラス代表 池照からのコメント
私と同じ人事のキャリアをもつ樋口さんとは、出会ってすぐに仕事のちょっとした苦労話や喜びを共有し、すぐに意気投合したことを覚えています。こんなに素敵な方と一緒に仕事ができたら、どんなに楽しくわくわくするだろう!そう思って彼女にEQのことを伝えました。それは、私も彼女も「人に関わる言葉をもっと開発したい!」という共通のテーマをもっていたからです。
彼女には、もともと“人の気持ちに寄り添い理解する力”があります。私も含め、多くの方がつい彼女に相談したくなるのはそんな共感力の高さがあるからです。気持ちに寄り添い、他の誰にも理解されないと本人が感じてしまうようなそれぞれの“立場”を理解し、一緒に同じ方向を向いて横にいてくれると感覚があるのです。その天性の力に加え、彼女はEQを学ぶことで”ひとに関わる言葉“というさらなる武器を磨き、EQコーチングに活かしています。EQの資格保有者だから言葉が磨かれるのではありません。相手の立場になって同じ方向を向き、同じ景色を見ようと努力し、意識しているからこそ磨かれる”共感言葉“なのだと思います。
たった4年前まで、アイズプラスのコアメンバーでEQを学んでいたのは私と樋口さんだけでした。現在は4名のコアメンバー全員が外部機関で学びを得たチームになりました。これからも、EQコーチの養成はもちろん、まだまだ”人に関わる言葉“を一緒に開発していきたいものなのです。
何歳からでもリ・スタート。EQで見つける私らしいキャリアの作り方 #01
https://is-plus.jp/features/interview08
何歳からでもリ・スタート。EQで見つける私らしいキャリアの作り方 #02
https://is-plus.jp/features/interview08-2
アイズプラスからのご紹介
アイズプラスでは、EQ(感情知性)を人材開発、組織開発、人事制度設計に導入し、
以下のような組織目的達成のお手伝いをしています。
・企業理念の策定、浸透支援
・リーダーシップ開発/リーダー育成
・ダイバーシティ&インクルージョン/多様性施策構築、浸透支援
・エンゲージメント施策、タレントマネジメント施策構築と浸透支援
・「心豊かに働く」をベースとした人事制度の構築
・・・ 他