何歳からでもリ・スタート。
EQで見つける私らしいキャリアの作り方 #01
女性が社会で活躍していく上で、次のような課題に直面する方も多いのではないでしょうか。子育てでキャリアが中断し、復帰したいが以前と同じ働き方はできないという課題。新たな働き方やプロジェクトにチャレンジしたいが、自分に何ができるのか・したいのか分からないという課題。あるいは、妻や母という役割だけでなく、自分自身として輝く生き方を見つけたい!と望む方もいらっしゃることでしょう。
この記事は、弊社アイズプラスに関わる3人の女性たちが、それぞれの人生の岐路でEQと出会い、EQを活用することで、自分らしく輝きながらキャリアやライフスタイルを再構築していった実例です。女性の活躍がますます期待される新しい時代に、EQを使って自分自身の「感情」に深く目を向け、小さな一歩から行動を変えることで、ぜひあなたも「本当に生きたい自分」を実現してください。
CASE #01 杉山夕希子さん(シリコンバレー在住)
1. EQとの出会い
2017年に、前職の先輩から「アイズプラスという会社で池照さんという社長が『鎌倉で働ける人』を探している」と聞くまで、EQについては聞いたこともありませんでした。面接を受ける上でいろいろとリサーチしてみましたが、EQについての情報は乏しく、深く理解しないまま面接を受けました。
その頃の私は、夫の海外赴任先だったアメリカから日本に帰国して約1年。生活も落ち着いてきて末娘も幼稚園に行きはじめ、ようやく自分の時間を少し確保できるようになってきていたので、キャリアについて考え始めていたところでした。
ただ、出産+アメリカ駐在生活5年で約8年ものブランクがあったので、「今の自分にできることは何だろう? 何がしたいのだろう? 私にとっての優先順位は?」などと自問する日々でした。
課題や悩みと感じていたことは、社会から必要としてもらえるのか、スキルもそれほどないのに家族を優先にしたいという自分の気持ちを叶えてくれる職場があるのだろうか、これは私のワガママなのではないか…など、挙げたらきりがないほどで、不安の方が大きかったです。
家庭の状況としては、末の娘は幼稚園で、曜日によっては早く終わってしまう日もありました。また、小学校に通っている上の娘のクラスは学級崩壊一歩手前のような状態で、私が働くことで子どもたちに負担をかけるようになってはいけないと思っていました。二人ともまだまだ幼いので、いつ呼び出しがあっても対応できるようにしておく必要がありました。
夫は私がやりたいことはいつも応援してくれていましたが、都内勤務で多忙を極め、家事や育児の協力を求められるような状態ではありませんでした。
2. EQのアセスメントを受けて、自分自身について分かったこと

初めて受けたアセスメントの結果はどれも低めでした。日本での生活をやや窮屈に思うこともあったりして、自分らしく過ごせていないな、モヤモヤしているなと思っていたので、点数は高くないだろうと予想していたものの、現実を見せられ、自分自身の感情を抑えてしまっていることが浮き彫りになりました。でも「低いから問題、ということではない。自分の役割や目標などに応じて高められる部分を高めれば良い」と聞き、気持ちが楽になりました。そして、EQは開発していくためにできることがたくさんあると気づかされ、少しずつでもやってみよう! という気持ちになれました。また、行動が数値化されたことで、自分のことで手いっぱいになっており、忙しさにかまけて自分自身と深く向き合えていなかったこと、周りを気にかけているつもりでも行動につながっていなかったことが分かり、納得できました。
3. EQを意識して行動を変えた

E Qを意識するようになってから、まずは自分自身の感情に気づくことが増えました。心で思っていても、態度や行動で示せていないことが多かったので、きちんと自分の意見として伝えたり、自分はどう感じているかを自分自身に問いかけるようにしました。それから、人をより観察するようになり、積極的に別のコミュニティにも参加して、多くの人と交流することを心掛けました。
自分の行動を変えるにあたって、私はEQの中でも特に「私的自己意識」と「自主独立性」「感情的温かさ」を意識しました。自分を後回しにすることが多かったのですが、自分自身に意識を向け、自分の感情を理解することは、自分はどうしたいかという「自主独立性」を高めることにもつながります。また、自分は「感情的温かさ」はある方だと思っていたのに低く出ていたことは残念だったので、より行動で示すように努めました。
4. 行動を変えたら、状況が変わった
EQの大切さに気づき、自分自身が実践することで、家族をはじめ多くの人に影響を与えられることに気づきました。
プライベートでは、家族とのコミュニケーションが一方的なものではなく対話が多くなり、話に耳を傾けることが増えて行きました。何が大切なのか? 優先順位は何なのか? 戸惑った時や迷った時には自分自身の感情に聞く習慣ができ、新たなチャレンジに向かうのが楽しみになりましたし、PTAやこども会などの別のコミュニティにも積極的に参加できるようになりました。また、学級崩壊状態のクラスに通う娘に対し、どうやったらモチベーションを高められるのか、娘自身と向き合うことができるようになり、ちょうどクラス替えなどもあって娘が変わっていくのも感じることができました。
キャリアについても、ワクワクする気持ちを大切にしようと前向きになることができ、「これをやってみたい! こういうのがあったら良いかも! こうしてみたい!」など、自分の思いを伝えられるようになっていきました。アイズプラスは関わるメンバーがEQのエキスパートなので余計にそうなのかもしれませんが、風通しも良く発言しやすいですし、「学びたい・やってみたい」を応援してくれる環境があるので、安心して仕事に取り組むことができると感じます。いつもミーティングの後に「あ~楽しかった!」とつい声に出てしまうくらい、楽しく働けています。
現在、私は夫の再びの海外赴任で家族とともにシリコンバレーにおり、完全なリモート体制で、アイズプラスが運営している【EQ+LAB.】の編集長として働いています。アイズプラスが日本で行っているプロジェクトに直接関わることはできませんが、アメリカで学んだEQを発信しチームにシェアすることや、レポート・編集など、できることを担当させていただいています。
再度アメリカへの引っ越しが決まった時、それまで鎌倉オフィスでの事務作業をメインにしていた私は、また仕事を辞めなくてはいけないんだと悔しい気持ちで池照さんに話をしました。でも池照さんは「それは素晴らしい! アメリカからどんどん発信しなさい! EQの本場だよ!」と、もともとやっていた編集長の仕事を継続するようにと背中を押してくれました。さらに【EQ+LAB.】が自分事になるように、自分のコラム、自分の発信をしていくことを勧めてくれました。このリモートでの働き方を認めていただいたおかげで、場所が変わっても働けることに喜びを感じています。特に今はコロナで家族みんなオンラインなのですが、こうした世の中の変化にも柔軟に対応でき、家族に不安・負担をかけずに仕事を続けられていることを考えると、理想的な状況だと感じています。
5. EQが私にもたらした影響

EQに取り組むようになって、ないがしろにしていた自分の感情に向き合うようになり、やりたい、ワクワクする、楽しい、これをすると幸せだ!などの気持ちを大切にできるようになりました。不安や心配も多い毎日ですが、それが積み重なって健康や睡眠、感情のコントロールに影響を与える前に、小さな芽の段階で気づくことができるようになりました。
夫にも「変わったね! 突発的に怒ることや、思考停止状態になることがなくなった!」と言ってもらえ、また、私がEQや感情のことをよく口にするようになったことで娘たちも素直に表現してくれることが増えて、お互いのコミュニケーションと絆が深まったように感じています。
特に、コロナ禍、山火事、人種差別問題などいろいろなことが起こる中で、家族が密になったけれど心地よく過ごせているのは、EQがあったからだと実感しています。
他にも、友達からの相談や、駐妻サポーターをしている私に悩みを話してくれたりする人が増えました。人に心を開いてもらえることが、自分にはとてもうれしいことなんだと感じています。
6. これからの夢や目標

EQを知って真っ先に感じたのは、未来を担う子どもたちに、感情をスマートに使う方法を知ってほしいということでした。娘が通うアメリカの学校でもSELなどの感情教育を取り入れていることから見ても、EQの重要性を感じます。EQを学んでいく中で、それがどれほど人間関係や学業に影響を与えているのかということも知りました。
子どもにEQを伝えていくことはもちろんですが、私は子どもと関わる全ての大人、特に教育者に、EQやSELについて伝えていきたいと思っています。日本では心を患う先生が多かったり、熱い気持ちで仕事に就いてもなかなか思うように教育ができなかったり、幸せそうに見えない先生方や30年前と変わらぬ方法で教育する先生の姿を見てきました。そんな先生たちに子どもを託していいのか? と疑問に思うことも度々ありました。EQは子どもや教育者に大きな影響を与えられるものではないかと思い始め、現在、私自身もEQの学びを深めつつ、EQの実践者たちとの交流を重ねています。子どもたちが感情を押さえつけるのではなく、よりスマートに目標や夢を叶えるために感情を使えるように、日本の教育界にEQを取り入れていくことが今の私の目標です。
了
アイズプラス代表 池照からのコメント
「家族との時間を大切にする」ことと「自分を活かす仕事に挑戦する」は両立する。そう信じていた私に、それが確信であることを教えてくれたのが杉山さんです。
・自分がやりたいことを少しでも言語化して人に伝え、周囲を巻き込んで形にする。
・挑戦してみて調整が必要なら相談しながら決断し前に進む。
これらはすべて、EQのスキルが後押ししてくれるもので、現在、杉山さんがEQ+LAB.の編集長として実践されていることです。すべてにおいて前例がないアイズプラスでの仕事は、本当にEQ力を鍛えてくれますよね(笑)。そして何より、正解が存在しない仕事に立ち向かう杉山さんの前向きさと素直な感情表現には、いつも助けられています。
私は、杉山編集長のコラムや編集で紡ぎだされる家庭、学校、そして仕事に役立つEQコラムや記事の大ファンでもあります。これからも、周囲の方が「元気に」、そして「心豊かになる」心の学びの時間を創っていきましょう。
アイズプラスからのご紹介
アイズプラスでは、EQ(感情知性)を人材開発、組織開発、人事制度設計に導入し、
以下のような組織目的達成のお手伝いをしています。
・企業理念の策定、浸透支援
・リーダーシップ開発/リーダー育成
・ダイバーシティ&インクルージョン/多様性施策構築、浸透支援
・エンゲージメント施策、タレントマネジメント施策構築と浸透支援
・「心豊かに働く」をベースとした人事制度の構築
・・・ 他